うちの嫁さんと三歳神話について話をする機会があったので、その事について書いておきます。
と言うのも三歳神話で悩んでいるお母さんが多いと知りました。
なのでうちの子育ても含めて私の考え、体験を紹介しておきたかったのでぜひご覧ください。
目次
三歳児神話のもとになった愛着理論
三歳児神話の根拠になっているのが、ジョン・ボウルビィが発表した愛着理論です。
まずポイントを3つに絞っておきます。
・愛着理論では、母親が必要な時期に子供に愛情を注がない場合、子供は不安定な性格が作られると提唱。
・愛着理論では、戦後家族を失った子供、もしくは施設等で養育されている子供が調査対象となった。
・愛着理論では、子供と母親(もしくは代理者)の関係が全て。父親と子供の関係はボウルビィの論文では検討されていない。
三歳児神話を知って悩むのは、圧倒的に母親が多いと思います。
理由は愛着理論では母親が子供(特に乳幼児期)に愛情を注がないと、子供の性格、そして全生涯において大きな影響を及ぼすと書いてるからです。
確かにこんな事を提唱された論文があると、我が子を愛する親としては不安になって当たり前です。
しかもこの論文が発表されたのが1951年。
今から約70年程前の論文です。
今と70年前を比べれば、世間の常識や人が生きている環境も当然違う。
それに愛着理論のもとになった調査対象の子供というのが、孤児や施設で育った子供です。
それを今の私達の子育てにスッポリ当てはめていいのだろうか!?という疑問があって当然だと思う。
それにその時代、その時代で社会一般的な常識というのがあります。
その良い例が男は外で仕事をして金を稼ぐ、女は家にいて家庭を守るです。
これを現代の日本に当てはめたら、どれだけの子育て世代の生活が成り立つでしょうか!?
ココだけを考えてみても、愛着理論を全ての子育て世代が実践をするのは無理があります。
三歳児神話は厚生白書で否定されている
平成10年版厚生白書の概要の中でこう書かれています。
これらのことを踏まえれば、三歳児神話(子どもは三歳までは、常時家庭において母親の手で育てないと、子どものその後の成長に悪影響を及ぼす)には、少なくとも合理的な根拠は認められない。
厚生白書でも書かれていますけど、孤立した母親が一人で家庭内で子育てをすることが、子供にとって健全発達とは言えないとあります。
私もこれには同じ考えです。
乳幼児期の子育てって本当に大変です。
その大変な時期に誰の助けも借りられず、ストレスの大きい子育てを母親一人に押し付けるのはおかしい。
どう考えてもおかしい。
もし三歳児神話が全て正しいとなると、育児ノイローゼの母親が増えて虐待事件が増えてしまいます。
ちなみにですが、私達夫婦の子育てを嫁さん一人でやってきたか!?と言うと、それは違います。
地域のコミュニティーに参加して、母子ともに他人の手を借りて育ててもらったこともあります。
それに嫁さんの母親に手を借りたこともありますし、義理の姉夫婦の力を借りたこともあります。
もちろん私も子育てに関わっていました。
オムツ交換、お風呂に入れる、絵本を読む、一緒に遊ぶなど私は好んでやっていました。
もちろん子育ての中で、母親の役割はとても大きいと考えています。
何か根拠があるわけではないですが、私の人生経験上、母親の存在はとても大きいです。
その母親が、子供に与える影響が大きいのも間違いないです。
だからと言って、母親一人で子育てをすることを賛成することは出来ません。
脳が急成長することと心の成長を考える
0歳~6歳までの間に脳は急成長していきます。
これは脳科学的に証明されていることです。
この時期に子供に五感を通して色々な体験をさせることで、脳の神経回路が特に発達すると言われています。
これは言い換えると、脳という臓器が一番発達する時期だと言えます。
ココで私はもう1つ重要なことがあると、個人的に考えています。
それは心の発達です。
三歳児神話のもとになっている愛着理論でも、母親の愛情を乳幼児期の子供に与える大切さを提唱しています。
特に0歳~3歳前後の母親と子供の関係は、とても重要だと説いているのです。
私もこの考えには賛成です。
しかしどれだけ0歳~6歳の間で脳に刺激を与え、さらに母親の愛情を子供に注いだからといって、その子供は幸せになるのでしょうか!?
勉強ができる賢い人間になることと、幸せに生きられる人間は全く違うと私は考えています。
なぜなら、人間は6歳で人生が終わるわけではないからです。
その後に12歳を過ぎ多感な思春期を迎え、そして心も大人になっていく重要な時期を迎えます。
子育てとは短期間で考えるものではないです。
もっと長い視点が必要になってくると私は考えています。
その理由が、人は心の生き物だからです。
その心を育てていくのは、一朝一夕にはいきません。
長い時間が必要です。
例え幼少期にたくさん愛情を注いだからといって、その後で子供への愛情が不足すると心は育ちません。
その結果、子供が非行に走ったり、犯罪に走ったりする可能性が高まると私は考えています。
[s_ad]母親の存在と心の成長(体験談)
私が心の成長にこだわる理由。
それは、私が過ごした思春期の影響が大きいです。
私が当時13歳~15歳の頃、私の家族はあるトラブルを抱えていました。
その事で、私の両親は毎晩酒を煽り、連日連夜喧嘩を繰り返していたのです。
今もその光景をハッキリ覚えています。
酔っぱらって顔を真っ赤にしている母親。
かなり切り声を上げて、叫び散らす母親。
堪忍袋の緒が切れて手をあげる父親。
両親の間に割って入る私たち兄弟。
そんなのが毎晩繰り返されていました。
本当に家に居るのが嫌で嫌でたまらなかった。
そんな家庭で、私は思春期のとても大切な時期を過ごしていました。
だから断言できるのです。
どれだけ3歳までの間に愛情や脳を育てることをしても、その後で愛情が不足すると何もならないと。
愛情は子供に与え続けるから意味があります。
無償の愛です。
見返りなど一切求めず、ただただ愛情を注ぎ続けるからこそ、子供の心に大きな花が咲くのだと信じています。
そしてその愛情を注ぐ母親の存在はとても大きい。
母親の笑顔が絶えない家庭は、それだけで子供に安心感を与えると私は考えています。
子供を幼少期に保育園に預ける抵抗感
子供と過ごす時間が多いのに、越したことはないと思います。
だけど現実問題、生きていくためにお金が必要なわけです。
今の時代パートナーの収入だけで生計を立てていられる家庭が、どれほどあるのでしょうか。
実際多くの家庭が、共働き世帯で生計を立てています。
しかし共働きをしようとすると、三歳児神話の悩みにぶち当たります。
保育園に0歳~3歳の子供を預けようとすると、不安定な子供に成長してしまうのでないか?って不安になりますよね。
実際ネットで検索してみると、三歳児神話に悩むお母さんが多いです。
当たり前ですよ。
可愛い我が子に幸せになってほしいのに、あの神話のせいで・・・。
ココまで読んで頂いたあなたなら、三歳児神話のもとになっている愛着理論がすべて正しいと言えないこと。
厚生白書でも、三歳児神話の合理的な根拠が見当たらないと書いていること。
これを知ってもらえたと思います。
しかし、幼少期に心や脳の成長に、母親の愛情が大きな影響を与えているのは事実です。
大切なことは、幼少期の子供と親の関わり方ではないでしょうか!?
子供と触れ合う時間を多く作る努力。
無償の愛を注ぎ続ける気持ち。
子供が安心して生きていける家庭。
お母さんの笑顔。
きっとこれだけ揃えば、三歳児神話などに振り回されることはないはずです。
最後に
三歳児神話とそのもとになった愛着理論について、私が調べた限りの情報、そして私の体験談を記事にしてみました。
私は精神分析家や脳科学者でもありません。
なので、間違った情報が入っている可能性もあります。
しかし、子供を育てるのに三歳だけで全てが決まるとは、私の経験も含めて到底思えないのです。
大切なのは無償の愛情を注ぎ続けることだと私は信じています。
親である私達が子供にしてあげられることは、その1点に集約されそれが全てだと言い切りたい。